2 (優しさ)


─あれから約1時間くらいが経った。


「待って…全然終わらない…。」


今、やっと地面に落ちていた本と資料をわけてまとめた所。


ほこりがまってさっきから何度も咳き込んでしまっている。


誰か…いないかな…


そう思って、資料室のドアを開けて、辺りを見渡してみても誰もいない。


はぁ…ダメだ…。


俯いて、ドアを閉めようとした時…


ガタンっ!


と大きな音をたてて、誰かにドアを押さえられた。


「えっ?」


「戻ってきてやった。」


い、一ノ瀬さん…


「何でそんなにほこり被ってんの。」


「ほこり…?あ、あぁ、!ごめんなさい!1人で大丈夫なので!ありがとうございました!」


戻ってきてやったって…ありがたいけど、一ノ瀬さんと2人は無理。絶対に。