洸が私にくれたものを、ただ返すだけ。 震える洸の両肩を摩る。少しでも楽になれるよう、落ち着くまで続ける。 心の傷は簡単には癒えないし、後悔は何度でも蘇る。けれど、その度何度でも立ち上がれるように、苦しみで身を縮め動けなくならないように。願いを込めて。 その時、上擦り掠れた声が、私の耳に届いた。 「……ありがとう、都」 その血の通った言葉に、私の目から一筋涙が溢れた。 ***