濡れたTシャツは水分を含んで肌に張り付いて気持ちが悪いし、髪の毛だってパリパリになっている。


 自転車とはいえ坂道を上るのは疲れるし、日差しは容赦なく私に照り付ける。


 けど、私は止まれなかった。ただ真っ直ぐ、会いたい人のいる場所を目指した。