まるで、世界中の不幸を背負ったような表情をしている。小説の主人公なら、ここから救いがあるのかもしれないが、私にはきっとない。
「……原因は、私」
あれから、何度も脳内で反芻する担任の言葉、クラスメイト達の私を笑う恐ろしい視線が、私を追い詰める。
大人になればもっと辛いことがあるのかもしれない。
けれど、この先も楽しくないことで笑い、一つも共感できないことに何度も頷くような大人になれる気がしない。
そんな大人になるくらいなら、もう全てを終わらせてしまいたい。
ジャーーーーと、蛇口から流れる水の音が、洗面所に響く。
そう、終わりでいい。弱いと言われても、もうどうでもいい。
そう、私はこの街の美しい海で、自分の人生を終わらせにきた。
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