けど、海の近くに住むことにそんなデメリットが。驚いていると、理玖は目を伏せる。サラリと一つに結んだ髪が首にかかり、同じ歳なのに妙な色気を感じた。 「俺、高校出たらこの街出たいんだ」 「へ」 「都会の美容専門学校に行きたい」 突然の告白に驚く。会ったばかりなのに、私にそんなことを話してどうしたいのか。 けれど、よく考えたら洸も私の学校での話を聞いた時に、知らない人間の方が話しやすいと言っていて、確かにそれは本当だった。もしかして、これがその状況に当てはまるのかも知れない。