「テメー……痛ぇじゃねーか……!!鼻に潮水がっ」
「あれ? 負けちゃうの? あれだけ大口叩いておいて」
「都っ!!」
「ぎゃっ、ごめんって! ストップ!!」
それから私は何度も洸に海に向かって投げられ、その光景を見ていた小学生男子達が加勢してくれて、最終的に洸は水鉄砲責めに遭い、逃げ惑っていた。
久しぶりに心の底から笑い、最終的に二人でくたくたになり、パラソルの下に戻った。
すると洸は、疲れ果てた私を見て、満足そうに笑う。
「な? 海、楽しいだろ」
その子供のような笑顔に、否定なんてできなかった。だってとても楽しかったから。
私は小さく頷くと、洸はぐしゃぐしゃと雑に私の頭を撫でた。



