だとしたら、私はどうすればいい? 死ぬことが無意味なら、私はまだこの先も心に付けられた傷に痛み苦しみながら、学校にも通えずに縮こまっているしかないの?
徐々に自分の目に水の膜が張っていく。やっと辿り着いた答えだと思っていたのに、それじゃあ、私は──。
「復讐なら良い方法がある」
「…………え」
復讐なんて物騒なことを言っているのに、洸の口調はどこか明るかった。私は俯きかけた視線を上げる。
「都のことを傷付けた奴等とは離れた場所で、そいつらよりも幸せになることだ。そんな奴らのこと考えてる時間が勿体ない。死んでやる必要ない」
「…………」
「自分を傷付ける環境に依存しなくて良い。逃げは立派な生存本能だ」
「……生存本能」
「そんな学校行かなくて当然だろ」
洸はガツガツと焼きそばを掻き込むように食べ終え、すっくと立ち上がった。
そして、手首を掴まれ強制的にパラソルの日陰から引っ張り出される。



