初恋は海に還らない




 さぁっと顔が青褪める。自分の好きなことだからって饒舌になり過ぎた。どうしよう、きっと引かれただろう。俯いて目をギュッと閉じると、ぶふっと噴き出す音が聞こえた。


 顔を上げると、洸は肩を揺らして笑っている。


 あれ? 引かれていない……?
 


「ははっ……都、お前、めちゃくちゃ話すじゃねぇか」
「……ごめんなさい。思わず」
「いや、良い。自分の知らない世界を知れるのは楽しい。だけど、もう少し落ち着け」
「はい。今私のオススメの話ししちゃうと、きっとまた暴走するのでクールダウンします」
「そうしろ。あー、面白すぎる」



 洸は無愛想だと思っていたが、意外に表情豊からしい。一見見た目が怖いから、ギャップがある。