「洸は、あんな時間の海で何をしてたんですか」
「…………」
洸が、どんな目的があってあそこに居たのか気になった。一瞬の間、私の質問に洸は静かに答えた。
「あの日は、何となく行かなきゃいけない気がした」
「……あんな時間に?」
「そう、あの時間に。運が良かった。それで都を見つけられた」
この人は、思ったよりずっと優しい人なのかもしれない。
無愛想だし、連れ出し方があまりにも強引で不信感を抱いていたけど、少し警戒心を解いてもいいのかも。
そんな私の考えを知ってか知らずか、洸は話題を振ってくる。
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