ラムネの蓋を押し込むと、ビー玉が瓶の中でくるりと回る。喉が渇いていたのもあり、しゅわりとした甘い炭酸が干からびた喉を潤していくのが気持ちいい。
ぷはっと息を吐くと、先にラムネを飲み干していた洸がジッとこちらを見つめているのに気が付いた。
「都、お前いくつだ?」
「17です。高校二年」
「若ぇな」
「洸、さんは?」
「さんはいらねー」
「……洸は?」
「俺、27」
「27歳……」
思った以上に大人だった。十も違う。
洸は愛想もあまりないし、耳は穴だらけで元ヤン感がありすぎるが、地元民からの信頼は厚く、悪い人間ではないらしい。
……それはそうか。夜中の海で自殺しかけていた見ず知らずの子供を、わざわざ家まで送ってくれるような人だ。
そういえば、ふと疑問が湧いた。



