「都、起きたのね、おはよう」
「おはよう、おばあちゃん」
「この子は洸くん。今朝草抜きをしてたら久しぶりに会ってね、朝食に誘ったの。都のことを話したら都を遊びに連れて行ってくれるって言うから、是非にってお願いをしたところなのよ」
「…………は?」
「都、洸はこんな形でもいい奴だから安心してついていけ。悪い大人じゃないから」
「じーちゃん、こんな形ってなんだよ」



 まさか、こんなことになるなんて。


 洸とバチリと視線が絡む。すると、断ったら海でのことをバラすと言わんばかりの無言の圧を感じた。切長の涼しげな目が、絶対に逃がさないと私を追い詰めてくる。



 ────お前は、この街にいる限り死なせない。



 有言実行しにきたということか。


 あまりの外堀の埋め様に、私はパジャマの裾を握り、その場で小さく頷くことしかできなかった。


 
 
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