「──都」



 声が聞こえる。名前を呼ばれてる。けど待って、私まだ寝足りないの。眠らせて──。



「都っ!!」
「ひぇっ!」



 耳元で響いた声で驚き、寝心地の良いベッドから勢い良く起き上がる。


 そんな私を、カーテンを開けながら呆れた顔で見下ろしているのは理玖だ。しかもなんだか髪の毛にパーマが掛かっているし、背も大きい。


 ……あぁ、そっか。もう私達、二五歳だ。