「う〜ん、僕は特にないなぁ。ずっとアレス騎士団の団長になるって道が決まってたから。……でも、強いて言うなら好きな人と結婚して家庭を持つことかな」

ギルベルトはイヅナを見つめて言い、その隣でヴィンセントが何故か焦るような表情をしている。だが、それに誰も突っ込むことはせず、エイモンとチェルシーが自身の夢を話した。

「僕は料理人になりたいかな。色んな国の料理を作れるようになって、大きなレストランを開いてみたい」

「私は可愛い服が好きだから、モデルになりたいわ。でもファッションデザイナーになって、自分のブランドを持つものいいかも!」

それぞれ、憧れているものは違えど夢はあるのだ。妖との戦いが終わった後、みんなの願いが叶いますように、そうイヅナは心の片隅でそっと祈った。