「フン、そんな攻撃が当たるか」

ドラゴンが馬鹿にしたように鼻で笑う。だが、イヅナは余裕の笑みを浮かべていた。イヅナの攻撃はあくまで囮だからである。

ドラゴンの目や体に一斉に矢が突き刺さる。突然のことにドラゴンは悲鳴を上げ、「何だ!?」とパニック状態になった。

ドラゴンがイヅナの攻撃に気を取られている隙に、ヴィンセントと勇敢な村人数人が弓矢を放ったのだ。

「一人ならできなくても、大勢ならできることもあるよ。例えば君たちを倒すこととかね」

ヴィンセントがニコリと笑って言うと、破壊されていない家の屋根に登っていたレオナードが飛び降りながら戦鎌をドラゴンに向かって振り下ろす。

「お前の核は……ここだ!!」

振り下ろした戦鎌は、ドラゴンの首を簡単に斬り落としていく。首を斬られたドラゴンは回復することなくゆっくりと地面に落ちていき、数秒後にドサリと大きな音が響いた。

空中を飛んでいた他のドラゴンたちは、まさか仲間の一頭がやられるなど想定もしていなかったようで、顔を真っ青にしている。