ドラゴンがいなくなった後、村人たちが騒ぎ出す。また飛び出した「生贄」という言葉に、レオナードが村人の一人の肩を掴む。

「なぁ、生贄って一体何の話だよ？」

「お前よそ者だろ？よそ者に教えることなんか一つもねぇよ！」

そう言い放った村人を、レオナードは腕を掴んで地面に一瞬にして投げ飛ばしていた。そして、地面に倒れた村人に戦鎌を突き付ける。

「悪いけど、今回は今までこなしてきた任務の中で一番失敗が許されないんだよ。……さっさと教えろ」

村人は顔を真っ青にし、レオナードを捕まえようと屈強な若者たちが集まろうとする。それをイヅナとヴィンセントが武器を構え、制した。

「すみません。多くの人と妖の未来がかかっています。なので、退くことはできません！」

「何が起きているのか、詳しく教えてください。事態を把握できなければ、僕らは皆さんを助けることができないんです」

イヅナとヴィンセントが真剣な目をして言うと、村人たちは顔を見合わせ、恐る恐る口を開いた。