「お母さん、息子さんは無事だぜ。ほら、お母さんだぞ」

レオナードは少年を母親の元に連れて行く。少年は母親を見て大声で泣き出し、母親も泣きながらレオナードに何度もお礼を言っていた。

「クソッ!何なんだ、お前らは!」

ドラゴンはやっとイヅナたちを見つけ、目から血をダラダラと流しながら睨み付ける。イヅナは薙刀を構え、口を開いた。

「あなたは、誰かに指示をされてこの村を襲っている、違いますか?」

「はあ?何言ってんだよ」

あからさまにとぼけるドラゴンに対し、イヅナは怒りを含んだ目を向ける。

「あなたに指示した人に伝えてください。姿を見せて正々堂々戦えと」

「意味わかんねぇ」

ドラゴンは生臭い唾をペッと吐き、翼を羽ばたかせて空高く飛び上がる。そして、猛スピードでどこかへと飛んで行ってしまった。

「またあいつ、この村にやって来るぞ!」

「嫌だ、死にたくない!」

「生贄を……生贄を差し出そう……」

「そうだ!今こそあの二人を差し出す時だ」