瑠璃子と琢磨は恋人同士になったが、幼なじみの気持ちが残っていた。

「なんか複雑な感じね」

「そうだな」

「……」

「……」

 会話が続かない。

「なんか話してよ」

「おまえこそ」

「クスクス」

「俺たち、変わらないな」

「そうね」

「そのほうがいいかもな。すぐには変えられないさ」

「本当ね」


 瑠璃子と琢磨は笑いながら、歩いた。

「恋人って何するのかしら?」

「キスとかじゃないか?」

「キスはしたじゃない」

「それ以外には……」

「私たちにはまだ難しいわね」

「デートくらいかな」

「そうね。それがあったわね」

「変なこと想像してたのか?」

「違うわよ。失礼ね」

「お前も案外エッチなのな」

「何よ、それ!」

 瑠璃子は憤慨する。