「葵さん、僕と付き合ってよ」

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この状況なに……??

遡ること1時間前

「葵さん後で2人っきりで話できる?」

ホームルームが終わったあとそう言われた

そして1時間目を終えて休み時間

今私はあの転校生に呼び出されて
屋上の扉の前の階段にいる

「えっと……初めましてで……」

もう一度説明しておくとわたしはあの
転校生とはもちろん初めましてだ
この状況はどう考えてみてもよく分からない

あ!きっとどこかに遊びに行きたいんだ
転校生だから友達がほしいとか……
なら冬生とか乃蒼ちゃんを誘ったほうが
いいのかな

「あっ放課後どっか遊びに行きたいとかですかね……」

「葵さんは鈍感なのかぁ。いいね、また君のこと1つ知ることが出来た」

「冬生とか乃蒼ちゃんとか誘って……」

「ストップ、なにか勘違いしてるみたいだけど、僕が言ってるのは僕と御付き合いをして欲しいってことだ。わかるかな?」

むむむ。やっぱりそっちなのか。
でもなんでわたしなの

「わたしと貴方は初めましてですよね、なんでわたしなんですか……?」

「それはまだ言えないなぁ。」

もうなんなの……この人
そう思ってた時

「俺の瑚陽になんか用?」

「……?!」

「あーきみだれ?」

「転校生だからまだクラスメイトの名前分かんないとか?……笑わせんなよ晴生」

「はぁ。いつから気づいてた?」

「なんか誰かに似てるとは思った」

「冬生なんも変わってないね」

「ちょっと冬生!なに?!どういうこと?!」

「こいつ旧姓花瀬」

「え?!」

「俺と双子」

「わたし冬生とずっと一緒に過ごしてきたけど全然知らないんだけど」

「それもそうでしょ。2歳の時にばあちゃん家に行ったし」

「そうだよ、僕は小さい時癇癪がひどくてね。病んだ母さんが祖母の家に預けたんだ。帰省の時にたまに顔を合わせる程度」

「何しに来たんだよ、今更」

「今更?僕は冬生の弟だ。別に戻ってきたっていいだろ?」

「どこに住んでるんだよ」

「一人暮らしさ。僕を捨てた母さん達に復讐するために必死にお年玉や新聞配達で貯めたお金を使ってね。だから僕は冬生達が大切なもの全部壊したいんだ」

「こいつ頭おかしい。行こ、瑚陽」

「え……でも」

「いいから行くぞ。」

そう言って冬生は私の手を強く引っ張って歩き出した。