「え? 美里の部屋に決まってるじゃない」

え……?

「じゃ、じゃあ、お姉ちゃんは……?」

「前、愛奈ちゃんが使っていた部屋よ?」

「……わ、私この部屋で大丈夫……です」

「え? な、何言ってるの?」

お姉ちゃんには、今の部屋を使ってもらっていたい。

「愛奈……私のことは気にしないで」

「……この部屋、気に入ってる、から……」

これは本当のことで、嘘はついていない。

「……ならいいわ。 良かったわね、美里」

「…………」

「さあ! 愛奈ちゃん、今日何食べたい?」

「えっ……」

食べたい、もの?

私が……選んでいいのかな……。

「お姉ちゃんは? 何か、食べたいものある?……私、食べ物とかあまり分からないから……」

「え? わ、私?」

「なんで、美里に聞くの? 愛奈ちゃんが決めなさい」