「いや、まさか本当に飲むとは思ってなくて……」

「……?」

ダメだったのかな……。

「あ、ダメとかじゃないからね!」

よ、よかった……。

でも、急にどうしたんだろう?






「今日は楽しかったです! ありがとうございます……!」

「楽しかったなら良かったよ。俺も、楽しかったし」

先輩も楽しかったなら良かった。

私ばかり楽しんでるような気がしてたから。

「じゃ、バイバイ〜」

「はい!さようなら……!」


家に……帰らなきゃ。

嫌だな……なんて思ったら家族に失礼かもしれないけど、思ってしまう。



家に着き、玄関の扉を開ける。

「た、ただいま……」

「愛奈……! さっきのは何⁉︎」

玄関の扉を開けるとすぐにお姉ちゃんがいた。

さっきの……? 
電車のときのことかな……?

「私が聞いたとき、無視して……」

「…………」

なんて、言えばいいんだろう……。

「どう言うつもり⁉︎……颯斗くんと、どこに行ってたわけ?」

「えっ、と……」

言わなきゃ……。

またお姉ちゃんに何か言われるかもしれない。

「早く言いなさいよ……!」

「ね、猫カフェに……」

「は……? 猫カフェ?」

「う、うん……」

「……なんであのときに言ってくれなかったの?……まさかあのとき、知らなかったわけないわよね?」

「……」

「だって、あんたの表情を見た感じ……知ってて、隠そうとしてたようだし」

バレてる……。

「ご、ごめん……」

「は? 謝ったら済むと思ってるの?」