「は、はいっ……」

先生に呼ばれ前に行く。

「すごい!加藤が学年一位だ!」

ほ、本当に学年一位だったんだ……!

先生の言葉を聞いて本当のことなんだと再確認する。

「え、あいつが?」

「嘘でしょ?」

「まぁ、あいつのお姉さんに比べたら大したことないだろ」

周りの声に胸が苦しくなる。

『お姉さんに比べたら大したことない』

今まで何度も言われてきた。

周りの声は聞こえないふりをして席につく。

「……」

「当たり前なんだろーな」

「あいつって人のこと見下してそうだよな」

「分かる、どうせ俺らのことバカにしてんだよ」

皆んなの声は聞こえないようにしても聞こえてきてしまう。

……そんなこと、ない。
見下したことなんて一度もない。

「本当に嫌な奴……」

そんな言葉が聞こえてきて、そっと俯く。
なんで、こんなに嫌われちゃったんだろう。

まだ、入学して1ヶ月も経ってないのに。
普通の暮らしを送ったつもり。

人に嫌われるようなことはしてないはずなのに……。