「友達が喜んでくれるかもね」

友達……?

「ほら、さっき一緒にいた」

「あー!由奈ちゃんですか?」

まさか先輩に由奈ちゃんのことを言われるとは思ってなかった。
確かに由奈ちゃんは喜んでくれそうだ。

「家族も喜んでくれるかもね」

先輩の言葉にズキッと胸が痛む。

か、ぞく……。

「……喜んでくれませんよ……」

「え?」

「あ、いえ……!」

先輩に気をつかわせてしまうっ……!

「っていうか、本当に授業に遅れてしまうので失礼します!」

「え……待っ……」

先輩の言葉も聞かずに部屋を出て行く。

『家族も喜んでくれるかもね』

……っ。

先輩に心配かけちゃったかな……。
ダメだ。心配をかけるのは……。

あ……!授業遅れる!
急がなきゃ!

そう思いながら教室に走って向かった。