「あの……」

行かないで、と言われても……。
授業に遅れたらダメだし……。

「そんなに俺と居たくない?」

「そういうわけじゃ……」

……居たくないわけでは、ない……。

「でも、授業に遅れてしまうので……」

「大丈夫だからさ、ね?」

「いや、でも……」

先輩に言われてもすぐに「はい」とは言えない……。

「先輩こそいいんですか?」

特進コースとなったら更に成績が大事になるはず。

それなのに、授業をサボっても大丈夫なのかな……?

「大丈夫だよ、テストで成績取ればいいし」

そ、そんな簡単に取れるものなのかな……?

「愛奈ちゃんも頭いいから大丈夫でしょ?」

「え?」

頭がいい?わ、私が⁉︎

「私、頭悪いですよ⁉︎」

一体何を勘違いしているんだろうっ……!

「え、いやいや頭いいでしょ?入学してすぐのテスト学年一位だって聞いたけど……」

「そ、そうなんですか⁉︎」

初めて聞いたっ……!

「知らなかったの?」

「はい!まだ結果は返されてないので……」

「そうなんだ……言わない方が良かった?」

「いえ……!早めに知れてよかったです!」

でも、私が学年一位なんて……!
勉強した甲斐があった!