本当に大きいなぁ……。

ここの高校は全体的に綺麗。
だけど、この部屋は他の部屋と比べ物にならないくらい広くて綺麗。

白色で統一されているから余計に綺麗に感じてしまう。

「お待たせ、どっちがいい?」

そんなことを考えていると先輩が帰ってきた。

「えっと……オレンジジュースで……」

「はい」

「ありがとうございます……」

先輩って優しいのかな……。

「ねーね、愛奈ちゃんって少し変な子だよね」

「え?」

変な、子?
そうなのかな……。

「隣にいてはいけない人……とか言って来るし」

笑いながらそう言ってきた先輩。

「本当に可愛い」

え……?かわ、いい?
き、聞き間違いだよね!

「あのさ、自覚してないみたいだけど……可愛いからね?」

「え、あの……」

今度ははっきり聞こえた。

「私なんか、本当に可愛くなくて……」

「可愛いよ?」

「そんなこと……っ」

本当に私は可愛く、ない。

ーキーンコーンカーンコーン

「あっ……ちゃ、チャイムなりましたよ!」

た、タイミングがいい!

「5時間目やすもーよ」

「し、失礼します!」

そう言ってドアを開けようとソファから立ち上がる。

ーガシッ

え……?

「ダメ。行かないで」

先輩に手首を掴まれて動けなくなる。