周りの視線が私に集まる。

「愛奈ちゃん借りるね」

「どうぞ、どうぞ」

「え⁉︎ちょっ……」

ゆ、由奈ちゃん⁉︎

「ありがとう」

「え、先輩⁉︎」

先輩に腕を引かれどこかに連れて行かれる。

ゔっ……周りの視線が痛い……。

「え、あれって……」

「あの女だれ?」

「普通の女じゃない?」

女の先輩の目が怖い……。

「あの、先輩……」

「ん?」

「どこに向かっているんでしょうか?」

「どこだろーね」

適当に返事をした先輩に不安になる。

「あの、本当にどこに向かっているんですか?」

「着いたよ」

「え、ここって……」

一般生徒は入れないはずじゃ……。

うちの学校は一般生徒と特進コース生徒で別れていて、この場所は特進コースの生徒しか入れない、はず……。

「先輩って……特進、なんですか?」

「そうだよ?」

す、すごい……。


うちの学校は偏差値が高いのに……。
そんな学校で特進コースなんて、どれだけ頭がいいんだろう……。

「頭いいんですね……!」

「え?そう?」

「はい!」

憧れだ……!
私は頑張ってこの学校に入れたから特進コースの先輩には憧れてしまう。

ここであることを思い出す。

「あの、先輩って……特進コースなのに……私を知っているんですか?」