きっと気にしてるのは私だけなんだ。
嬉しいはずなのにモヤモヤがどんどん広がってネガティブな感情で心がいっぱいになる。
ドライヤーの風を受けながら私はこんなに嫌な人間になってしまったんだと責めた。
「心美の髪は綺麗だな」
ぐるぐる考えていると朝陽がふとつぶやく。
はっとした時は時すでに遅し。
ドライヤーはいつの間にか止まっていて私の髪に朝陽の指が絡まっている。
ただそれだけなのにドキドキが止まらなくて。
「朝陽……?ひゃ!ちょ………やぁ!」
ヤダヤダ、変な声でないで。
髪に指が絡まったかと思えば朝陽は顔を寄せて私の首を噛んできた。
強くて、甘くて。
首元からジンジンと体が熱くなっていく。我慢出来ずに変な声がでてしまう。
朝陽、どうしちゃったの?
「ここ、弱いんだな」
つーっと首を指でなぞる。
「ん、ちょ、ス、ストップ!」