もう、独りでは過ごせないのです。 兄上様の遺書に、『千代、強く生きろ』 と書かれておりました。 ごめんなさい。 守れそうにありません。 もう、そちらに逝きたいのです。 大好きな家族に逢いたいのです。 いま、私は景色がきれいな崖におります。 兄上様と訪れたあの場所で。 すべてを終わらせます。 兄上様と父上様、母上様の石を抱いて。 今逝きます。兄上様。