リュウセイからすれば母親だから「大事じゃないと全く否定できない」という言い回しになったのか。
話題になっている熱愛報道の写真を振り返る。
よく考えれば、先日、病院の玄関前でタエコおばさんがリュウセイに話しかけていた時の構図だ。ちなみに病院はもう退院したらしい。
「母さんは嘆いていた。『RINの正体にミサちゃんなら気づいてくれると思ったのに、私の愛は一方通行なのね』と。昔から妙な母ですまない」
「タエコおばさんには気づいてあげれなくて申し訳ないような……」
ちなみに昔の同僚からメールが来ていた。
ミサを虐める上司に反発してくれた、社内で出来た友人。
『ミサなんでしょう? 社内で噂、もちきりだよ。なんか記者達に色々聞かれて、私は断ったけど……他のやつが、ちょっと喋っちゃって……そいつも、上司も、今社長たちに叱られてるよ』
――と。
ふとベッドの隣に腰かけて来たリュウセイが真剣な眼差しで告げてくる。
「まあ、結婚したい女性がいるとバラしてしまったわけだが……ミサはどうだろう? まあ、その、仮に俺の実家に入ってもらっても、東京に住んだとしても、警備員を増やせば問題ないと思うんだが……できれば近くにいてもらった方が嬉しいと言うか……」
リュウセイに対してミサは頬を膨らませた。
「女性ファンが減るかもしれないのに、突然あんな台詞、さすがに驚いた」
「そうだよな、ミサにも迷惑をかけるし、だいぶ考えたつもりだったし、周囲も説得したけれど、お前の迷惑は考えていなかったかも……」
彼がどことなく気まずそうだ。
「当然、私が結婚するという話前提だったし……結婚しないって言われたら、どうするつもりだったの?」
「え? ミサは俺と結婚してくれないのか?」


