翌朝。
「ああ、テレビ見たのか? そうそう、そんなところだ」
ぐったりしたミサが覚醒し、瞼をとろりと持ち上げた。
(リュウちゃん、電話してる)
窓際で電話をするリュウセイに対し、ミサは気になるが聞けないことを考える。
(結局RINさんは一体……?)
「ミサ、起きてすぐにすまない。直接本人と話をした方が手っ取り早いから?」
「本人?」
「噂のRINと繋がってるから、ほら」
ミサはリュウセイからスマホを渡された。
「え?」
(熱愛報道の相手と直接対話だなんて……)
ドクンドクンドクンドクン。
電話の向こうにRINがいるのだと思うと、緊張して落ち着かない。
すると、涼やかな声が耳に届いた。
『ミサちゃん! リュウセイの奥さんになってくれるのね……! ネットニュースで話題よ! 私は感動したわ!』
(ん? この声)
しばらくミサの電話口でRINの明るい声が続く。
(……ん?)
頭の中を整理するのに時間がかかった。
ミサは思わずつぶやく。
「噂の……CM女優さん……? あれ……?」
すると、電話の向こうからはしゃいだ声が聴こえた。
「そうなのよ! RINは私なのよ!」
ミサは相手の正体に気づいた。
だけど――。
(どうみてもRINは私達と同年代か下ぐらいじゃなかった?)
リュウセイがそっと助け舟を出した。
「ミサが考えての通り、噂のCM女優のRINは、俺の母さんだよ」
「え? え?」
「俺達ぐらいの頃のな」
「え? えええええ?」
ホテルの最上階にミサの声が響き渡ったのだった。


