和服御曹司で俳優な幼馴染に、絶対溺愛されてます

 皆が一番気になるところかもしれない。
 すると、リュウセイが朗々と答えた。

『RINは俺の大事な人と言われれば、全く否定は出来ないが……』

 大事な人。
 やはり大事な人なのだ。
 ミサの胸がきゅうっと締め付けられた。
 覚悟は決めていたが、やはり耳が痛いのだ。


『まだ事務所の許可が下りてないから、RINに関しては何も言えない。だけど、俺が結婚したいと思っている女性は――』


 皆がシンと静まり返った。
 舞台から彼が降りてくる。
 ミサの心臓がドクンドクンと大きく跳ねる。

(あ……)

 ミサの前に影が差した。
 振り仰ぐと、そこにはリュウセイの姿。


『子どもの頃から、俺の夢を推してくれた大事で大切な人だ』


 そうして――。


『皆にとっては一般女性だけど、俺にとっては、もうずっと昔から唯一人。最愛の女性だ』


 彼が近くにいたスタッフにマイクを渡す。
 彼は真摯な瞳で彼女の見つめた。


「自分で実力派だとか言いながら、まだ周囲を説得できるほどの力が俺にはなかったが、お前が舞台を見にきてくれたおかげで最高の舞台になったよ、ミサ」

「リュウちゃん……」

「心配かけたな。運悪くスマホは壊れるし……マネージャーに頼んで新しく買い直してもらってたのに、お前に連絡取れないし……昨日はホテルには現れないし……フラれたかと思ったが……事件に巻き込まれてないか、すごく心配した」

 皆が見ている前だというのに、リュウセイがミサの身体を抱きしめる。

「ごめんなさい、リュウちゃん……」

「まだプロポーズはしてなかったが、今さっき言った通りで……」

 そこで、彼がはっとなった。
 人々が、二人めがけて詰めかけてきている。

「……続きは後だ。行くぞ、ミサ」

「きゃっ……!」

「スタッフの皆には話はついてるから」

 そうして、リュウセイはミサを横抱きにして、その場を去ったのだった。