和服御曹司で俳優な幼馴染に、絶対溺愛されてます

(リュウちゃん……)

 舞台の内容は昭和・戦時中の頃の話。
 戦争で引き裂かれる男女二人の恋物語だ。
 日本の軍服を着ているリュウセイは、本物の軍人のようで格好良い。
 俳優として演技をする彼は、ひどくキラキラ輝いて見えた。

(遅刻して、申し訳ない)

 かなり良い席をとってもらえていたようだ。

(というよりも、むしろ関係者席に近いような?)

 そんなことを思いながら、警備の人の後ろを着いていく。
 もうすでに暗くなってしまっていた舞台脇の通路を慎重に進む。
 ふと、滞りなく声を響かせていたリュウセイが口を噤んだ。すぐに次の言葉を紡ぎはじめる。

(……リュウちゃん?)

 舞台中に不謹慎かもしれないが、観客がひそひそと言葉を交わす。

「大神さんにしては珍しい、台詞をつっかえるなんて」
「よっぽどのファンじゃないと気づかない箇所だろうけど」
「舞台も数日続ければ、疲れちゃうのかもね」

 ――本番に強いリュウセイにしては珍しい。