和服御曹司で俳優な幼馴染に、絶対溺愛されてます




 そうして、翌朝すぐに携帯ショップに向かった。色々と手続きをしてもらっている内に、昼過ぎてしまった。呼ばれている夕方の公演までにと、彼にもらった着物へとホテルの中で着替えた。
 着付け終わった後、タクシーに乗って会場に向かうことにする。
 かなりの時間、余裕をもって出たつもりだったのだが――。

(やっぱり都会は渋滞が多い)

 普段以上に道が混んでしまっていた。特に会場の場所に近付けば近づくほどに渋滞だ。
 そわそわして落ち着かない。
 
(大丈夫かしら……)
 
 タクシーの運転手が気を利かせてミサに話しかけてきたが、曖昧な回答しかできずに申し訳なく感じた。
 心配でそうがなかったが、なんとか開演の数十分前に到着する。
 だけど、予想以上にリュウセイのファンが詰めかけているようで、なかなか前に進めない。
 こんな時のための事前購入チケットではないのかと思うのだが、熱愛騒動直後でファンたちもいきり立っているのだろう。
 哀しみで泣いているファンまでいる。

(やっぱり女性ファンはショックよね……)

 混んでいるのも致し方ないと思いながら、ミサは人だかりの中をなんとか進んだ。
 開演時間も遅れているようだ。
 なんとか中に入れた時には、しかしながら舞台は始まっていた。
 警備の人に連れられて、他の人たちとは別の場所へと移動する。

「あ……」

 最初に声が耳に届く。
 主演のリュウセイのものだ。