しばらく進んだ先。
予定とは少し違う場所に、リュウセイがミサを連れて歩きはじめた。
「リュウちゃん、どこ行くの?」
「ミサ、忘れたのか?」
大きな木の下に連れていかれる。
ちょうど、遠くでドンと大きな音が聴こえはじめる。ぴかぴかと夜空を輝かせはじめた。
浜辺で打ち上げられる花火が、よく見える場所。
「あ……」
「懐かしいだろう?」
昔、皆が気づかない特等席だと言い、二人でよく登った思い出の木の下だ。
海が七色に光って揺らめく。
ひどく幻想的な場所だ。
うっとりと眺めながらミサの口から感嘆の声が漏れる。
「綺麗」
「……ミサの方が綺麗だ」
リュウセイの言葉に、彼女の心臓が跳ねた。
そっと彼が彼女の顎を掴んだ。
「ミサ、もう何年も、ずっと言えなかった言葉がある」
高校最後の夏ぐらい真剣な声音。
彼に彼女は抱き寄せられる。
「小さい頃から、ミサのことだけを俺は――」
ドキンドキンとミサの胸が高鳴っていく。
「リュウちゃん……」
リュウセイの心臓の音がドクンドクンと、互いの浴衣越しに伝わってきた。
きゅっと彼が唇を引き結ぶのがわかった。
意を決した彼がミサに想いを告げる。
「ずっとミサのことが好きだったんだ」
いつも以上に、熱っぽい眼差しに光が何度も映り込む。
鳴り止まない花火と鼓動の中、二人の唇が重なり……そうして、深く結ばれ合ったのだった。


