和服御曹司で俳優な幼馴染に、絶対溺愛されてます



 そうして、陽が沈み切った。
 拝殿の前、狛犬の前に二人は控える。
 彼等よりも手前に設置された木のステージでの出し物もいよいよ終盤だ。
 おこなわれているのは、のど自慢。

「ミサが商工会長のおじさんに、せっかくだからどうだって話を持ち掛けた、歌の対決、盛り上がってるみたいだな?」

「うん、良かった。小さい子も、お年寄りの方も楽しそうね」

 特に順序を競ったりするものにはしなかった。
 参加してもらった島内の人々には県内の特産品を、島以外の来訪者には島の特産品を配るようになっていた。

「ちゃんと今までミサが積み上げてきたものは無駄じゃなかったってことだな」

 ぽんぽんと頭を叩かれたミサの頬が火照る。

「そうかな? ありがとう」

 あとはリュウセイの出番だ。
 夏の定番の歌を歌ってもらうことになっている。

「リュウちゃんが失敗するなんてことはないだろうけれど……」

 各種色んな人々と打ち合わせをした。今さっきも色々と綿密に計画を見直したのだが――。
 ファンが殺到して、場が大変なことにはならないだろうか。
 マイクも調整したけれど、音が飛んだりしないだろうか。照明は――?

「祭りに合わせて、島の警察官も警備も多く配備されているし、お前だって色々考えてたんだから、問題ないって」

 色々と不安はつきないミサだが、リュウセイが言うなら大丈夫な気がするから不思議だ。