和服御曹司で俳優な幼馴染に、絶対溺愛されてます




 そうして、迎えた夏祭り当日。
 彼に浴衣を選んでもらった日に身体に触れられたが、以降は真面目な話に終始していた。あまり騒ぎになっていはいけないからと、市の商工会や夏祭りの担当の人と何度か打ち合わせを密かにおこなったりしていた。

(ついに本番ね……リュウちゃんが迎えに来てくれる予定)

 もう夕暮れ時だ。
 昼間っから移動したら、皆にバレるからという理由で、少し暗くなってからの移動になった。
 駄菓子屋の前で、緊張と興奮の中、リュウセイの迎えをミサは待つ。
 ちょうど、店の奥に置いてある古いテレビにCMが映った。

(シャンプーのCM、黒髪がサラサラで綺麗。――RINさんだったかしら?)

 突然彗星のごとく現れたCM女優RIN。
 流れるような黒髪に、きりっとした黒い瞳の女性。その美貌に皆はくぎ付けだ。
 芸名だけが明かされ、契約している会社は1社だけだという。
 それ以外の個人の情報は一切明かされていない。日本人の名前だけれど、本当は海外出身なのではないかなど、様々な憶測を生んでいる状態だ。
 雇われている会社の方針で違うのだろう。

「リュウちゃんなんかは、島出身だとか名家出身だとか色々報道されているけれど」

 ミサが考えごとをしていると、リュウセイが迎えに来た。
 まだ彼は私服姿だ。
 一旦リュウセイの実家へと車で移動した。
 先に彼に彼女は髪を結わえてもらった。
 鏡越しに映るリュウセイの手先の器用さに、ミサは心奪われる。

「ミサ、これプレゼントだ」

「え?」