和服御曹司で俳優な幼馴染に、絶対溺愛されてます

 ――ストレートな言葉にミサは戸惑う。

「条件じゃなくて、着物の礼でも良い」

 浴衣の裾を割り入り、彼の大きな手がミサの太腿へと伸びる。思わず、ぴったり閉じていた脚が崩れてしまう。
 突然の行為に彼女は困惑する。
 そのまま襦袢も割ってしまい、ミサの生足が顕わになる。
 大胆に着物を割られたせいで、お天道様の下に下着が晒されてしまった。
 ミサは返す。

「リュウちゃん……よく……あることなのかもしれないけど……好き同士でもないのに、こんな、ダメ……」

 リュウセイの機嫌が少し悪くなる。
 
「ミサ……俺達、大人になったんだから、これぐらいよくあることなんだし良いだろう?」

 耳元でリュウセイの色香の強い声音で囁かれ、ミサの心臓がバクバクと動いた。

(芸能界入りして、きっと女性慣れしているリュウちゃん……だけど、私は……)

 ――この年まで処女なのは重いと、何かの雑誌で読んだことがある。

 なぜか彼には重たい女だとは思われたくない。

「リュウちゃん……分かった……ちゃんと歌ってね?」

「ああ、約束する」

 ミサの答えに、安堵したようなそうではないような複雑な表情をリュウセイは浮かべていた。だけど、彼女本人は気づけない。