和服御曹司で俳優な幼馴染に、絶対溺愛されてます

「もちろん。俺は水持ってくるから気にするな」

「分かった」

 彼が部屋から出ていった後、ミサはワンピースを脱ぎ、肌襦袢の上から浴衣を羽織る。

(誰かに着せるのよりも、私としては自分で着る方が難しいかな)

 そんなことを思いながら、着付けていく。腕はそこまで衰えてはいないようだ。
 おはしょりを調整している間に、隣の部屋にリュウセイが戻ってきた気配を感じた。彼が近くにいる中で着替えているのだと思うと、なぜだか緊張して手がおぼつかない。
 しゅるりと衣擦れの音が立つ。相手に聞こえてはいないかと不安で仕方がなかった。

「あ、私も着替え終わったよ」

 声と同時にリュウセイが、ミサのいる部屋に戻ってくる。