和服御曹司で俳優な幼馴染に、絶対溺愛されてます

「リュウちゃんに迷惑かけないかが心配かな……?」

「迷惑?」

 キラキラした夢を掴んだリュウセイに、自分の失敗した過去を話すのは、なんだかひどく恥ずかしい気がした。だけど、昔と変わらず優しい彼に話してみても良いかもしれない。

「あのね――」

 ウェディングプランナーの仕事自体には幸せを感じていたこと、だけど、上司との折り合いが悪くて気落ちしてしまったこと……。
 そんな過去を彼に打ち明けた。

「お父様からの資金援助もなしで、身一つで俳優として成功したリュウちゃんと違って、私は本当にダメで……」

 ミサの瞳にじわりと涙が浮かぶ。
 すると、リュウセイの長い指がそっとそれを拭った。

「俺が俳優として頑張ろうと思えたのはミサのおかげだよ」

「え?」