「はぁはぁはぁ…だれ?」

「湘北の前田だこらぁ!!」

変にアドレナリンが出てる前田は興奮状態なのかケガして痛そうにしてるもこっちに向かってこようとしてる。

残りの高校生に回復されたらこっちが人数少ない分、負けると思い、

「逃げるぞ」

急いでその場を離れようとした。

自転車を拾い上げ、サドルをカゴに入れて立ち漕ぎで出発しようとしたが気づいた。

「あー!チャリ曲がってる!」

前輪のフレームが曲がっていた。

そうこうしてると前田に肩を掴まれ引っ張られた。

「離せっ!お前のせいでチャリ曲がったじゃねぇか!」

怒りで蹴りをお腹にかまして、よろついて離れたので再びチャリに乗ろうとしたらパトカーで巡回してたお巡りに補導された。

俺や翼や友人を含めた複数人は警察署に連れて行かれた。

栗原と栗原の後輩はそそくさと逃げてて捕まらなかった。

夕方、警察署に迎えに来た母さんは家に帰ると今まで見た事ないぐらいに怒っていた。

「なぁ、悪かったって!」

そう何度も謝るが母さんは許してくれなかった。

「聞く所によるとまた自転車で人を轢いたらしいじゃない」

「だからそいつがウチの中学の奴を囲んで殴ってたから」

「だからと言って轢いて良いわけじゃないよね?どうするのその子が死んでたら?自転車でだって当たりどころ悪かったら人は死ぬわよ?暴力には常に危険が潜んでるの!剛がそれをわからないから私は怒ってるの!」

「じゃあ、仲間がやられてるのを見逃せって言うのかよ!」

「見逃せとは言ってない!ただ暴力で解決をしようとするなと言ってるの!どうするのこれでまたやり返されたりもしたら。またさらにやり返すの?」

「じゃあどうすりゃいいんだよ!」

「そんなに正義を振りかざしたいなら……」

その後の言葉に口を閉ざす母親に

「親父みたいに警察官になれってか」

と言った。