各クラスの応援席では太鼓などの打楽器が鳴り盛り上がりは最高潮を迎えていた。

(頼む!!)

走り終えた僕達は両手で祈るように見ていた。

前を走る走者も必死に抜かされないよう体を入れてくる。

それでも、剛は速かった。

一緒の隙をついて体が入ると抜かしてトップを走ってた走者も抜かし1着になった。

「よっしゃー!!!」

ゴールテープを切った瞬間興奮した剛はバトンを大きく空に投げ右手でガッツポーズしながら大きく吠えた。

僕達は駆け寄り喜びを爆発させ肩を組み合いジャンプした。

「剛、流石よ!」

「うおっしゃー!!」

「やったやった!!」

「みんなで獲った1位だ!やったぜ!」

僕達は大きく喜び狂った。

「あ!カメラ持ってる生徒会の人がこっち見てるから記念写真撮ってもらおう!」

僕達は生徒会のこっちを向けるカメラに満面の笑みでピースをした。

本当に走って良かった。

剛が後押ししてくれなかったら決して走る事のなかったリレー。

最高の形にしてくれて本当にありがとう。

クラスのテントに戻るとヒーロー凱旋のように褒め称える声が上がった。

「上島君一緒に写真撮ろ!」

「良いよ!撮ろ撮ろ!」

「上島君私も!」

特に剛は休憩する時間がないように思えた。