剛君の見た目は陽の光で染めてるとわかる茶色に耳には透明ピアス付けてて、パーカー着てて、腰パンだった。

ウチの学校には珍しいヤンキー。本物のヤンキー。

剛君以外誰もヤンキーが居ない為みんなと比べて浮いている。

しかしいざ喋ってみると意外と良い人なのかもと思えてきた。

前田みたいに突然理不尽な事をしたり殴って来たりパシリに人を使う事もなかった。

もしかしたら僕は人を見た目で勘違いしてたかもしれない。

明るい性格で男子にも人気あるし、顔もイケメンだから女子にも人気があった。

そして軽音部に入ってるらしくギターを片手にお昼休憩時間に流行りの歌や昔の歌をみんなに聞かせてくれたりもした。

「なあなあ!アイドルの歌とかもいけるのか?」

一部のオタクと言われる人からの無茶振りにも

「もちろん!」

人によって分け隔てせずに演奏してる姿にヤンキーなのにほんと誰にでも優しいんだなと思った。

そして度々剛は

「はい、メロンパン。おやつに半分子しよ」

とくれた。もう僕は剛に完全に心開いた。

自分でもちょろいと思った。

多分だけどクラスのみんなが仲良くしてほしいと思って、一人で過ごしたりしてる姿を見かけるとその人の所に行っては楽しそうにお喋りしてるので、お世話好きの性格なんだと思った。