修平君は暴力ふるわないし、浮気もしないし、優しいし、働いてるからお金持ってるし、車持ってるし最高なんだけど、嫌いじゃないんだけど、体すぐ求めてくるししんどかった。

求めてくるのを拒むものなら

「俺の事嫌いなの?」

そうウルウルした瞳で訴えてくる。

答えが極端過ぎる。なんなんその死刑か無罪かのような問いは!

「俺、亜依子以外の女の子と連絡取らないから」

そう言ってある日彼氏は電話帳を開き、頼みもしてないのに次々と女の子の連絡先を消し始めた。

え?

え?

もしかして私も男の連絡先を消せと言ってるのか?

俺が消したから家族以外の男はお前も消せと言ってるのか?

別に男友達とやましい事は無いけど消す必要もないし消す事を強要をされたくもない。

好きな人を独占したくなる気持ちはわかるが私はあなたの物ではない。

決して嫌いではないけれど耐えきれなくなった私は彼に告げた。

「少し距離を置かせて…」

「え?いつまで?」

「それはわからない」

私の話を聞いた麻央に同情された。

「甘い言葉は嫌いじゃないんだけどね。甘い言葉よりも美しい、綺麗な言葉を求めてしまうわ」

「ああ、亜依子よく言ってるよね。ちなみに好きな言葉ってあるの?」

「そう、私ね、昔男の子が口にした言葉に小学生ながらキュンとした事があって…」

昔、雪景色を一緒に見た塾が一緒だった男の子に言われた言葉

「都会は夜景がキレイだけどここみたいな田舎は今みたいな時間が1番キレイなんだよ」

この後に続く言葉があった。

自然の美しさを表した言葉。

私は彼のその口にした言葉があまりにも美し過ぎてキュンとした。

「思い出せないの?」

「うん、ずっと思い出そうとしてるけど出てこないの。もう一度死ぬまでに絶対聞きたい言葉」

「ええ!気になるね」

あの日から2度と聞けないその言葉を再び聞きたいとなによりも望む。

そして私はその言葉を3年生のクラスメイトから聞く事となる。

その言葉を聞いた私は涙を流し、彼の事が好きだと気付くのであった。