ふと遠くを見ると無数の木々が綺麗に雪化粧されていた。

「キレイ…」

男の子は自分の体についた雪をぱんぱんと払い

「都会は夜景がキレイだけどここみたいな田舎は朝の時間が1番キレイなんだよ…ちなみに」

その言葉に一瞬キュンとなり私は良い誕生日プレゼントになったなと思った。








ん?誕生日プレゼント?





「あー!!」

私は思い出し大声出した。

「え!?何?」

男の子はびっくりしてた。

「昨日、私の誕生日だった」

そう呟く私に男の子も

「え?え?えぇ!あ、あ、おめでとう」

戸惑い驚きつつもお祝いの言葉をくれた。

少しショックを隠せない私はその場にうなだれた。

「ごめん、知らなかったから何もプレゼント用意してない」

その言葉に笑った。

「あはは!ありがとう、気持ちだけで。それにたく君が昨日居たおかげで助かったから」

その後朝食をいただき、おじいさんが軒下に吊るしていた干し柿を食べさせてくれた。

「あ、美味しい!凄い甘い!」

「良かった。いっぱい食べてね」

「はい、ありがとうございます」

私の反応にニコニコするおじいさんとおばあさんを見て、やっぱりどこのおじいちゃんおばあちゃんも優しいんだなとしみじみ感じた。

「気をつけて帰るんよ」

「すみません何から何まで」

お土産にと袋いっぱいに干し柿までくれた。

「ええんよ、ええんよ、また、たく君とおいでね!元気でね!」

おばあちゃんは私の手をぎゅっと握ってくれた。

「はい、また来させてください」

そう言う私におばあさんは屈託のない笑顔を見せてくれた。

もう二度会う事のない初めて会った私にこんなに優しくしてくれて感謝しかなかった。

駅に送ってもらい帰りの電車に乗った。

電車の出発を見送って手を振ってくれるおじいさんに私とたく君も手を振って応えた。

「ごめんね、色々ありがとうございました」

帰りの電車内で改めてお礼を言った。