「小6の時にもののけ姫が上映されてから野村は片っ端から色んな女子に

『もののけ姫を見に行こう?』

って誘っては

『俺と付き合ってください!』

って同じ学校の子から一緒の習い事してた子に見境なく告ってたみたいだからもののけ野郎と呼ばれてるんだよ」

大輔がそう教えてくれた。

「断っても断ってもしつこく最後には泣き落とししてくるから最終的には相手の親に怒られた事もあるみたい」

僕はもっと別のことに情熱を注げば良いのになと余計ながらも思ってしまった。

野村は顔の素材が良いだけにもったいないと、岡田は人によって態度を変えなけば好かれる人材なのでもったいないと思っていた。

ちなみに元気いっぱいな岡田でも新川のギャグをいざやると少し寒いがきっと新川本人のギャグを見たら面白いんだろうなと思った。

クラスの数人がワイワイと喋る中、クラスの扉を

バンッッッ!!

前田が勢いよく開けて入ってきた。

見ると顔が腫れて血も出たのか絆創膏を貼っていた。

クラスが一瞬ザワっとなった。

「クソが!ムカつくわー!」

「どうしたの?」

「あ!?市内の別の中学の奴と喧嘩になったんだよ!」

「やられたの?」

「いきなり不意打ちよ!不意打ちがなければやられなかったのによ!つか今日仕返しに行くけどクラスから何人来れるよ?」

そう吠えるクラスのヤンキーの前田が周りを見渡した。

それの取り巻きの岡田と野村も周りに目を向ける。