その翌日

「大丈夫だった?大丈夫だった?」

「大丈夫でしたよ」

「役に立たないかもしれないけどこのまま卒業まで続けて良いかな?上島君の部活無い日に一緒に帰るの」

「もちろん、一緒に帰りましょう!」

「荷物沢山あるから持ってあげるよ」

「先輩優しすぎでしょ!」

その夏の終わり、健太が運転するバイクが事故を起こし、運転していた健太とその後ろに乗っていたメンバーも亡くなったと翼から聞いた。

翌年の3年の夏に帰省した際に翼達と一緒に健太の墓参りに行った。

「なんだったんかな健太の人生って」

お墓に刻まれた健太の名前と年齢を目にし悲しさが込み上げた。

お供えに翼と買ったタバコLARK MILDに火を付けた。

「ん!」

翼がひと吸いし俺に渡してきた。

俺もひと吸いし次の奴に渡し、

「ゲホッゲホッオェェ!」

むせる俺にみんなはケラケラ笑った。

「知ってるか?LARKって愉快って意味なんだぜ!みんなタバコはLARK MILDにしようぜ!」

昔、健太がそう言って吸ってた銘柄だった。

「俺達もいつまで愉快な仲間でいような!」

中学3年生の夏に花火をする前に健太はそう言ってLARKMILDの一本に火をつけタバコを吸いまわしした。

「あの時も剛はむせたよな」

「未成年は吸っちゃいけないから!」

そりゃ正論だとみんな笑った。

それからも墓の前で昔話に花が咲いた。

「つか、健太なんで喧嘩する時に人にタバコ渡すんだろうな?邪魔ならそこら辺に置けばいいのに」

腹を抱えて沢山笑い

「じゃあな!いつか俺達もそっちに行くからその時はまた昔みたいに遊ぼうな!花火で戦争しような」

そう言ってお墓を後にした。