『MRIでの検査結果では脳内の異常は見当たらなかった。





メニエールということは間違いないな。





後は、今飲んでる薬とかなの体がうまく合うか…っていうことだな。





早速一週間、ここにいる間に試すから、薬はしっかり飲むこと、そして食事もしっかり摂ること。





いいな?』







「はい…






あの…」






『ん?なんだ?』







「私は、いつ…





仕事復帰ですか?」







『あぁ、それなら大丈夫だ。






順調に退院できたら、予定通りの日には復帰できるからな。』






その言葉を聞いてホッと胸を撫で下ろした。






『仕事のことばかり考えてると、ゆっくり療養できないぞ。今は何も考えるな。





そして、薬を必ず飲めよ。』








「は、はい…」







『もちろん一週間、みっちり吸入しておけよ。じゃないと、復帰が遠のくぞ。』







やっぱり…そうきたか。






『仕事が始まったら、循環器系は石川先生、呼吸器系は進藤先生が主治医になるからな。




メニエールは脳神経科だけど、石川先生や進藤先生でも診ることは可能だから、お二人が話し合って薬を出していくようだから。





ちゃんと言うこと、聞くんだぞ。』







前の主治医に戻ってる…。







仕事に厳しい石川先生と、怒らせると怖い進藤先生。







何事もありませんように…。






『ん?なんか言いたいことが?』








「…ありません。」







…ていうより、言えません。