〈音side〉
「言ってみてよ、気になるから」

急に立ち止まったかと思えばこの言葉。
しかもすごく真剣な顔で…。

だから未来くんの目から顔を背けれなかった。
見つめ合ってどれくらいたったかな。
未来くん、目大きいなぁ。

その時、愁が重なって見えた。

はっ…!だめだめ!もう…。
終わったの…。

「なー、はやく。じゃなきゃキスすんぞ」

「ほぇ!?」

「ふっ…笑変な声笑あはは」

「なっ!もうバカにして!!」

「バカにしてねーし。ほら、はやく。俺はお前にとって何?」

何って言われても…。
考えたことなかったし…。

「わかんない、なんなんだろうね。」

「俺にとってのお前は…「未来!!」

「しずくだ。愁に梨奈ちゃんもいるじゃん」

「未来くん、続きは…」

「いやいい、また今度言うわ」

「なんか5人…」

愁と梨奈。2人とも暗い顔してる。
そりゃそうなんだけど。
私がそうさせちゃったから。

今はきっと愁が梨奈を拒絶してるんだと思う。でも大丈夫だよね、2人なら。
きっと幸せになってくれる。

笑わなきゃ、私が。

「よし、じゃあ行くか!!」

なんだか5人でどこかに行くみたい。
気まづいけど、向こうもそうだよね…。
私が頑張らなきゃ。

「行こ、梨奈」

「うっ、うん」

普通だったかな?
笑えてたよね?
声、震えてなかったかな。