───────そして今に至る。


(はぁ・・・・・・・どうして・・・・・)


 海月の頭では後悔しかなかった。ちなみにあの後、静かな場所にと言って少し離れたソファーに移動させられたので、さっきから背中にビシバシと視線が刺さって痛い。


(あのとき、柳先生の願いを断れたらなぁ・・・・・・・)


 でもまぁそんなことをしたらあの教師は海月の数学の成績を落とすだろう。ただでさえ苦手で頑張って勉強している赤点ギリギリの数学の成績をこれ以上下げられてしまうことは避けなければならなかったのだから仕方ないかもしれない。


(それにしても・・・・・・綺麗な顔。)


 起きてしまったのだから今更後悔しても意味はないと思い海月は今自分の膝で気持ちよさそうに眠っている瑠衣くんの顔をまじまじと見た。


 男の子なのに白くてきめの細かい綺麗な肌。作り物かと疑うくらいに長いまつげ。形の整った鼻。そして薄い唇。


 アイボリーベージュのサラサラなその髪思わず手を伸ばす。


「や、柔らか・・・・・っ!」


 一本一本が細く綺麗でとっても柔らかいその髪の感触に思わず声がでた。


(え、綺麗。めっちゃ柔らかい!!!いくらでも撫でていられる・・・・・っ)