朝食を食べ終えたサリーシャとセシリオは、早速中心街へ出掛けることにした。準備のためにノーラに髪を結って貰いながら、サリーシャは手元の紙を眺めた。あらかじめセシリオから聞きだした、行きたい場所のメモだ。
本屋は王都で一番大きなお店を知っているから、そこがいいだろう。文房具店は本屋の近くにとても大きな場所あった気がする。『サリーシャのお気に入りの場所』というリクエストもあり、サリーシャは頬を綻ばせた。
サリーシャのお気に入りの場所はいくつかある。花が美しい庭園に歌劇場、王都を流れる河川にスイーツショップ、それに美術館……。色々と思い付いてしまい、どこがいいか迷ってしまう。けれど、本屋と文房具屋に行くなら、気軽に立ち寄れるあそこしかないとサリーシャは一つの場所を思い浮かべた。
準備を終えたサリーシャがタウンハウスの玄関に降りると、セシリオは既にそこで待っていた。白のシャツを少し着崩し、黒のズボンに赤茶色のピカピカに磨かれた革製ブーツを履いている。格好はきちんと貴族の普段着風なのに、セシリオが着ると何故か衛兵が無理に服を着せられたように見えてしまうのはご愛嬌だ。
「閣下、お持たせしました」
「ああ、構わない。──髪型を替えたんだな」
「はい。似合ってますか?」
本屋は王都で一番大きなお店を知っているから、そこがいいだろう。文房具店は本屋の近くにとても大きな場所あった気がする。『サリーシャのお気に入りの場所』というリクエストもあり、サリーシャは頬を綻ばせた。
サリーシャのお気に入りの場所はいくつかある。花が美しい庭園に歌劇場、王都を流れる河川にスイーツショップ、それに美術館……。色々と思い付いてしまい、どこがいいか迷ってしまう。けれど、本屋と文房具屋に行くなら、気軽に立ち寄れるあそこしかないとサリーシャは一つの場所を思い浮かべた。
準備を終えたサリーシャがタウンハウスの玄関に降りると、セシリオは既にそこで待っていた。白のシャツを少し着崩し、黒のズボンに赤茶色のピカピカに磨かれた革製ブーツを履いている。格好はきちんと貴族の普段着風なのに、セシリオが着ると何故か衛兵が無理に服を着せられたように見えてしまうのはご愛嬌だ。
「閣下、お持たせしました」
「ああ、構わない。──髪型を替えたんだな」
「はい。似合ってますか?」



