「はい。旦那様は奥様からのプレゼントと知ったら、お喜びになると思いますよ」
料理長に微笑まれ、サリーシャはチラリと同席していたクラーラを見た。クラーラも笑顔で頷いたので、きっと問題はないのだろう。
結婚して夫婦になってもセシリオが忙しいことに変わりはない。そのため、サリーシャが昼間にセシリオに顔を合わせることは殆どない。セシリオはサリーシャにいつでも執務棟を自由に出入りしてもよいと言ってくれていたが、仕事の邪魔をするのではと気が引けたのだ。
けれど、軽食のついでにクッキーを差し入れてもらうくらいなら、仕事の邪魔にもならないだろう。忙しい夫の仕事中の息抜きになってくれれば、それほど嬉しいことはない。
「では、お願いしてもいいかしら? 皆さん、どうもありがとう!」
「どういたしまして。わたくし共も、奥様のお力になれて嬉しく思います」
「わたくし、皆様のお仕事のお邪魔ではなかった?」
「とんでもない。奥様のようなお優しい方がここに嫁いできて下さり、わたし達一同嬉しく思っております。また、いつでもどうぞ」
にこにこと微笑む面々に見つめられ、サリーシャも嬉しくなってはにかんだ。



